嘘。。

 ブログを書き始めて、気づいたことがある。
それは、私の気持ちの中で、母が再び命ある存在になってきているということである。最近、私が思い浮かべる母の姿は、臨終の時の物言わぬ母ばかりであった。今、母は再び、私に話し掛けてくる。


2004年8月
 母は一番聴きたくない言葉を、心の中で何度も繰り返しているに違いなかった。
ナースセンターから戻った私は、母に主治医から聞いた病状を説明した。
「腫瘍は良性なので、心配ないものだが、管をふさいでいるので、このまま放っておくと黄疸が取れない。だから、手術で取った方がいいらしい。私も肝臓に良性の腫瘍がある。できた場所によっては放っておいてもいいけど、お母さんの場合は、できた場所が悪かったね。」
「手術か。そしたらお盆には帰れんな。」
母が、腫瘍は良性という言葉を信じたかどうかはわからない。
でも、癌だって10年以上生きてる人は、いっぱいいる。母はまだ70代になったばかりなのだ。
私は、家に帰ると、膵臓癌に関する情報をネットでできるだけ探した。

私はそこで、膵臓癌にかかりながら、手術もせず、普通に2年以上生活を送っておられるYさんという方のホームページを見つけた。元気なYさんのHPの言葉に、私は勇気付けられた。