病状説明。。

 今日は忙しかった。忙しいと仕事のことで頭がいっぱいになり、余計なことは考えないで済む。
今の職場になって、人間らしい生活はなくしたかもしれないが、仕事以外のことに気が回らないのは、ある意味幸せなのかも知れない。


2004年8月23日
 母の検査が終わり、夕方、主治医が病状を説明するというので、兄、父と一緒にナースセンターに言った。結論から言って、手術は不可能ということだった。
 腫瘍が血管に食い込んでおり、手術は危険とのこと。
退院して、抗がん剤の投与のみの治療になるが、効果が期待できるのは80%だということであった。
そして、童顔の主治医は
「病状からして、余命は3ヶ月でしょう。」
と付け加えた。兄は主治医に
「母には本当の病名を知らせないでください。」と話した。
とにかく、母は抗がん剤を打つ間隔や量を決めるために、後1ヶ月ほど入院することになった。
その日は、母の病気が分かってから、私にとって一番やりきれない日であった。
それは、耳が聞こえにくくなった父に、家族の控え室で主治医の言葉をもう一度大きな声で説明しなければばらないことだった。私は父の耳元で主治医の言葉を、、なるべく無機質な口調で伝えた。
「お母さんは、後3ヶ月しかもたないって!!」
父も特に表情を変えずに
「そうか。。」と言った。