竹の子

 毎年、実家から竹の子をもらう。去年は父が茹でた竹の子をもらった。今年は、自分で茹でた。やはり、山で取ってきた竹の子はおいしい。
 今日は母の日だった。花を母の遺影にかざった。母はいつも笑っている。そして私は、時々母の写真に向かってつぶやく。。「何かしゃべってみられ。。。」母の写真は笑っているばかりである。


2004年8月
 私は母が入院している間、毎日病院に通った。入れ歯を磨いて、、2~30分世間話をする。それが毎日の日課だった。家から病院までは20分ほどかかる。
 病院の帰りの車の中が私の泣き場所だった。しかし、子供たちに泣き顔を見せるわけにはいかない。
泣きながら、距離を計算していた。
 しかし今、何で泣いていたのか、よく思い出せない。母に治ると嘘をつくのが苦しかったのか。。
母は本当の病名を知っていて、知らない振りをしていると思って悲しかったのか。。。もしかしたら、、治らない母を看病する自分が悲しかったのか。。
 言えるのは、、泣くことで気持ちを発散できたということかもしれない。悲しい気持ちや、不安な気持ちを泣くことで癒していたのかもしれない。